JRA 東京競馬場 2012年5月9日 NHKマイルカップ(GI)

今回、3歳のマイルチャンピオンシップであるNHKマイルカップを、初めて牝馬で制したシーキングザパールについて触れてみようと思います。

シーキングザパールは、シーキングザゴールドの産駒で、外国産馬として活躍した牝馬です。

1996年の夏、7月にデビューし、前評判も高く、デビュー戦では単勝オッズ1.2倍の圧倒的な人気に応え、2着に1.1秒の差をつけて圧勝します。

2戦目に現在で言う新潟2歳ステークス(GⅢ)へ出走しますが、ここでは3着と敗れ、3戦目にはデイリー杯2歳ステークス(GⅡ)へ出走。

前走の鬱憤を晴らすかの様に、2着に0.8秒差をつけ快勝。

重賞初制覇を達成します。

そして向かえたGIレースの現在でいう阪神ジュべナイルフィリーズへと駒を進め、1.5倍の単勝オッズとなる人気を集めますが、1着となったメジロドーベルから0.7秒離された4着に沈み、2歳でのレースを終えます。

3歳となり、外国産馬である為、クラシックへの出走は出来ませんが、NHKマイルカップを目指し、シンザン記念(GⅢ)から始動。0.5秒差をつけて快勝すると、フラワーカップ(GⅢ)で0.3秒、ニュージーランドトロフィー(GⅡ)で0.2秒の差をつけ、年明け重賞3連勝という圧巻の内容でNHKマイルカップに臨みます。

ニュージーランドトロフィー2着のブレーブテンダー、朝日杯を制したマイネルマックスを抑えて1番人気で迎えると、ここでもブレーブテンダーに0.3秒差をつけ、快勝。

重賞4連勝というかたちで初のGIタイトルを手にする事となりました。

シーキングザパールはこののち、古馬となってフランスに遠征し、日本調教馬として初めてヨーロッパのGIタイトルをも手にし、国内でもスプリンターズステークス(GI)、高松宮記念(GI)をそれぞれ2着と奮闘し、アメリカにも遠征するなど、世界最高峰のレースへ日本調教馬が参戦する先駆けとなった牝馬でした。

シーキングザパールの功績は日本競馬界にとっても非常に大きいものだと思います。

今後もNHKマイルカップから世界に羽ばたいていくサラブレッドが現れる事を、影ながら応援していこうと思っています。