桜花賞 検証
今年の桜花賞は、4月8日に開催されます。
2歳牝馬のチャンピオンとなったジョワドヴィーヴルに俄然注目が集まると思いますが、ここで巻き返しを図る1頭、サウンドオブハートに焦点を当ててみようと思います。
サウンドオブハートは、2歳の阪神ジュべナイルフィリーズで1番人気となり、最も2歳牝馬チャンピオンに近いと目されていましたが、上述のジョワドヴィーヴルに2.5馬身、ファンタジーステークスを制したアイムユアーズには鼻差で差され、3着に沈みました。
父親がアグネスタキオン、母親はシンメイミネルバ、母父にカーリアンと血統は申し分ありません。ジュべナイルフィリーズでの借りを返すべく、3歳では頑張ってほしいところです。
そんなサウンドオブハートが、1月15日の牝馬限定オープン戦、紅梅ステークスへ出走しました。
ファンの期待も大きく、単勝オッズはなんと1.4倍と、やはり注目されている事が判ります。
今まで4レースに出走しましたが、全て1番人気であり、陣営もプレッシャーがかかる事でしょう。
さて、紅梅ステークスのレース展開ですが、まず13頭が出走。
ダイワメジャー産駒のボストンサクラが逃げ、2番手をエイシンキンチェ
ムが追走。
サウンドオブハートは中団やや後方からレースを進めます。
最終コーナーをインで回り、いよいよ最後の直線。
順位を押し上げようとするも、コースが塞がれ前が空きません。万事休す、と思われましたが、抜け出しにかかるマイネボヌールの後方が空くと、そのスペース目掛けて武豊ジョッキーが渾身のステッキ。サウンド
オブハートもその期待に応え、今まで溜めていた脚を一気に放出すると、メンバー中最速の上がり3ハロン33.8の末脚を繰り出し、マイネボヌールを半馬身かわしてゴールイン。ヒヤリとしましたが、ある意味横綱相撲のレースであったと感じました。
賞金を加算し、桜花賞への切符はほぼ手中に収めましたが、本番まで期間が多少開いています。
今後のローテーションも含め、あらためて強い競馬を見せてくれたサウンドオブハートに、注目していこうと思います。
高松宮記念 予想 (JRA GI 芝1,200m 中京競馬場)
さて、今年の高松宮記念へ向けていよいよ大詰めとなりました。
カレンチャンが去年のスプリンターズステークスに続き、牝馬ながらJRAのスプリントGIレースを連覇するのか、注目される事と思います。
そんな中、去年のスプリンターズステークスで2着となった、パドトロワについて検証してみようと思います。
パドトロワは、父親がスウェプトオーヴァーボード、母親がグランパドドゥという血統で、母父がフジキセキと、サンデーサイレンスの血を受け継ぐ5歳の牡馬です。母親のグランパドドゥは、オークス、秋華賞で5着となるなど、中日新聞杯(GⅢ)を含む4勝を上げており、母仔重賞勝ちが期待されますね。
パドトロワは2009年、芝1,600mのレースでデビューするも、離された3着となり、1,600mでは多少距離が長かったのか、次戦に芝1,200mのレースへと舞台を移し、見事初勝利を上げます。この後安定した成績を残し、GIレースであるNHKマイルカップに臨みますが、やはり距離が長かったのか、16着と惨敗を喫してしまいます。
このNHKマイルカップ以後、パドトロワはスプリント路線に集中して出走する事になります。
NHKマイルカップから約1ヵ月後の1,000万下条件のレースで3勝ち目を上げ、休養後暫く凡走が続きますが、再び休養した後の叩き2戦目、1,600万下の条件戦で久し振りに勝利を上げ、続くオープン戦のオーストラリアトロフィーでも、不良馬場ながらクビ差制し5勝目。着々と力を付けていきます。
休み明けの函館スプリントステークスでは1秒差の6着と敗戦を喫しますが、続くUHB杯では逃げ切り勝ち、キーンランドカップ(GⅢ)では1着と同タイムの3着とし、いよいよNHKマイルカップ以来のGIレース、スプリンターズステークスに臨む事となります。
そしていよいよ本番のスプリンターズステークス。ロケットマンなど、海外から猛者達が参戦する中、道中2番手を進み、最終コーナーを先頭で回ると、カレンチャンには差されますが粘り込み、見事GIレースで2着に入選しました。
今までの戦績から見ると、どうしても休み明けは苦手な様で、凡走する事が目につきますが、叩いてからのレースでは安定した成績を残しています。叩いて2戦目が高松宮記念になると思いますので、充分期待出来るのではないでしょうか?
暮れには香港へ遠征し、惨敗を喫してしまいましたが、スプリンターの覇権を再び牡馬に戻すべく、パドトロワに期待して、今年の高松宮記念を満喫しましょう!!
2012年2月19日 フェブラリーステークス(GI) JRA
2012年のJRA GI 第一弾、フェブラリーステークスが近く行われます。
皆さんはフェブラリーステークスと言えば何を思い出すでしょうか。
フェブラリーステークスがGIレースとなって今年で16回目を迎えますが、様々なドラマがあったと思います。
そんな中で私が挙げたい1頭が、1999年のフェブラリーステークスを制した、メイセイオペラです。
JRAの競馬の歴史に深く名を残す事になったメイセイオペラについて、少し触れてみたいと思います。
フェブラリーステークスを制したメイセイオペラですが、毎年多くのJRA GIレースが行われている中、史上初めて地方所属の馬としてJRAのGIレースを制した馬であり、それ以降現在に至っても、地方所属馬がJRAのGIレースを制した事はありません。
当時、ジャパンカップダート(GI)は無く、JRA最優秀ダートホースとなっても何ら不思議な事ではありませんが、地方所属馬は、この称号を得る権利がそもそも無かった為、受賞する事が出来ませんでした。
この事があったからと言っても過言では無いと思いますが、翌年の2000年以降、地方所属馬にもその権利が与えられる事となりました。
今日、JRA所属馬が地方の統一GIレースに出走するケースが非常に増えてきた様に思いますが、中央と地方の交流に拍車を掛けたのは、メイセイオペラでしょう。
フェブラリーステークスの時期になると1999年当時のフェブラリ
ーステークスを必ず思い出しますが、今年もあの感動を思い起こしつつ、レースを堪能したいと思います。